個人版私的整理ガイドライン

個人版私的整理ガイドラインとは

 個人版私的整理ガイドラインとは、東日本大震災の影響により、住宅ローンや事業者向けローンなどの借金の支払が困難になってしまった方について、一定の条件のもとに、裁判所の手続を通さずに、減額や免除を認めるために作られた制度です。

個人版私的整理ガイドラインの利用対象者

 東日本大震災の影響により、震災前から負っていた借金などの支払ができなくなった方、または近い将来支払ができなくなることが確実と見込まれる方が利用できます。
 なお、以前は、仮設住宅入居中で賃料を現時点で負担していない被災者の方は利用しにくい運用がなされていましたが、現在では、運用が改善され、仮設住宅に入居しておられる方でも利用がしやすくなりました。
 このほかにも、利用のためにはいくつかの条件がありますので、詳しくは、弁護士にご相談ください。

個人版私的整理ガイドラインの流れ

1.債務整理の申出
  弁護士と打合せをしながら申出書や必要書類を作成し、第三者機関である「ガイドライン運営委員会」を通して各債権者に提出します。 
                     
2.弁済計画案の作成
  申出から一定期間内(申出から2~3か月程度が目安)に今後の支払計画の案を作成します。
                    
3.弁済計画案の送付
  作成された弁済計画案について、「ガイドライン運営委員会」の確認を経た後、全ての債権者に送付されます。
                    
4.弁済計画の成立
  弁済計画案について、全ての債権者が弁済計画案に同意すれば、弁済計画案が成立し、今後、弁済計画に従った弁済をします。

個人版私的整理ガイドラインのメリット

〇裁判所の手続を使わずに債務の減額・免除が受けられます。
〇ブラックリストに登録されることなく債務の整理ができます。従って、新たなローンを組むことができる可能性があります。
〇保証人の責任も軽減されたり免除されたりする可能性があります。

個人版私的整理ガイドラインのデメリット

〇少なくとも、仮に破産した場合に各債権者に払われるであろう金額以上の支払をする必要があります。
 ただし、被災者生活再建支援金、災害弔慰金・災害障害見舞金、義援金は手元に残したままでの整理が可能です。
〇ガイドラインに基づく債務整理が成立するためには、弁済計画案に全ての債権者が同意することが必要となっています。
 従って、弁済計画案に同意しない債権者がいる場合には、本ガイドラインによる減額を受けることはできません。

「個人版私的整理ガイドライン」の関連記事はこちら